南の島へ
第二東京弁護士会員 八百屋伴声
 私が所属している第二東京弁護士会の環境委員会では,毎年,現地調査というものを実施しているのですが,今年度(2007年度)の現地調査が10月下旬に3泊4日の日程で実施されました。目的地はなんと石垣島。新石垣空港建設に伴う環境問題,石垣島の珊瑚礁の実態調査が目的でした。
 
 実は,委員会の会議で今年度の現地調査の目的地が石垣島に決まった時,私は内心ほくそ笑んだのでありました。なぜなら,私はこれまで一度も沖縄という所に行ったことがなかったからです。
 ところで,最近,弁護士会の友人の中にも,沖縄旅行にハマった人が多くて,結構みんな沖縄に行っている様子なんですよ。中には毎年決まって沖縄に行く人もいますね〜。
 もちろん一度は沖縄へ行ってみたいと思ってはいましたが,沖縄へ行くなら3泊くらいは必要だし,そこまで思い切って旅行の日程を入れる気にならず,これまでなかなか思い切りがつかなかった私でした。

 ところが,それが,全くひょんなことから沖縄に行くことに。特に行き先が沖縄でも離島の石垣島ですよ。前から私は地図を見ることが好きで,有人の島では八重山諸島が日本の最南西端であることは知っていましたから,一体どんなところなんだろうといろいろな思いが広がる中,いよいよ石垣島へ出発したのでありました。

 行きは直行便でなく,羽田から那覇,那覇から石垣島へ飛びました。天候は晴。うー,席が通路側なので外が見えない!しかし,那覇から石垣島までの間はとりわけ外の景色が見たくて見たくて。思わず隣の仲間に「席を替わって!」と言いたいところ,大人げないのでぐっとこらえました。
 そして,ついに石垣島に到着。10月下旬というのに気温は摂氏28度。とにかく暑くて南の島に来たことだけは分かりましたが,ここが石垣島と言われてもサイパンと言われても素人の私には全く分かりません。日本語が通じるところから,たぶん石垣島なんだろうと妙に納得しました。

 現地では,到着早々,早速に新石垣空港予定地を見学し,その後,沖縄県八重山支庁でヒアリング。1日目は新空港予定地近くの白保で宿泊しましたが,その夜は浜辺で満月を眺めながら酒を飲みました。月明かりがこんなに明るいものだったとは!
 2日目は,白保の海でシュノーケリング。いやいや珊瑚礁があんなにきれいなものだと思いませんでした。お魚さんたちも大勢。そのほか,現地のガイドの方に連れられて原生林(ジャングル)がそのまま残っているところを見たり,名蔵アンパルという干潟観察をし,通常の観光客が行かないところを見ることが出来,とても有意義でした。
 
 3日目は自由行動日。他の会員と二人でひそかに石垣島を脱出し,与那国島へ飛びました。乗ったジェットは西表島上空を通過して約30分で与那国空港へ着陸。今度はちゃんと窓際の席を取ったので絶景を見ることができました。
 与那国島は日本最西端の島で,石垣島から西へ124キロ,台湾まで111キロという所にある小さな島です。それにしてもいやはや思えば遠くに来たもんだ。
 正直言って石垣島は思っていたより都会でしたが,与那国島は本当に観光地化されていない島でした。最近はDr.コトー診療所というドラマのロケ地で有名になっているようです。確か吉岡君が出てるやつですね,私は見たことがありませんが。
 与那国島は島のいたるところがとにかく自然そのもの。島には周回道路があり,寄り道しなければ車で30分もあれば一周できます。
 島の何カ所かには牧場があり,馬や牛が放し飼いになっています。周回道路に牛が何頭も出てきたりしていて車が立往生しましたが,まあのんびりしたもんです。そして,夕方には与那国島の西端で,オリオンビールを片手にわが国最後の夕日を見ることができました。
夜は夜で島の郷土料理を出す居酒屋に行き,椰子ガニに舌鼓を打ち,オリオンビールを飲みまくりました。
 普段東京で生活していることが全くウソのようなひととき。観光地化された所が大嫌いな私にとっては,感動,感銘,感謝,感激でありました。
 翌日はいよいよ帰京の日。午前中,少し観光した後,与那国島から石垣島,石垣島から那覇,那覇から羽田に三段跳びで帰ってきました。

 初めての沖縄・八重山諸島にすっかり虜になった私でした。
 是非近いうちにまた八重山を訪れたいと思っていますが,それより一刻も早く年金生活者になって仕事のことをすっかり忘れ八重山に行きたいもんです。
 その時に備えて今月もせっせと弁護士国民年金基金を掛ける私です。

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陽だまり No.31  `07.11より